産地特徴
硬白度の色調を持つ真壁石燈籠は、柔らかさのある、繊細優美な彫刻が特徴で、しかも重量感があります。苔が付くことにより、一段とその特徴が生かされ、日本庭園等に一層の優雅さと趣きを与えます。
産地技法
石の型作りは、主な工程では「のみ」「こやすけ」「びしゃん」等の伝統的工具を用います。彫りを変化させる境目になる線を原石に描くことを「墨出し」といい、差曲(さしがね)を用いて墨出しをした後、伝統的工具を使って、「のみ切り仕上げ」「びしゃん仕上げ」「叩き仕上げ」という伝統的な技術・技法で仕上げます。接ぎ合せは、火袋(ひぶくろ)という燈籠の火を灯す部分の上下を除いて、ほぞ接ぎとし、燈籠のバランスを保ちます。
産地歴史
茨城県真壁地方は、質の良い花崗岩(かこうがん)が採れることから、古くから石を生活用具として加工、利用してきています。 この地方の石材業の起こりは、室町時代末期に真壁町長岡地域一帯で始められた仏石作りであると伝えられています。真壁石燈籠として確認できるものとしては、真壁町の寺院境内にある、文政7年(1824年)に製造されたものが最も古いとされており、これを作った石工によって技術・技法が確立されました。