産地特徴
古代から常陸国では織物が織られていましたが、室町時代末期に「結城紬」の名称が生まれました。 19世紀に入って現在の技法が完成。
今日でもたて糸、よこ糸とも真綿の手つむぎ糸を使い、独特ないざり機で織る日本の手織紬として有名です。
産地技法
先染め又は先織りの平織りで、製織には「いざり機」を用い、かすり織物におけるかすり糸の染色法は「手くくり」によることとされ、また、「しぼ取り」をする場合には、地糸に使用するよこ糸は「追ねん」及び「湯もみ」によることとされています。
産地歴史
結城紬は室町時代に結城家から年々室町幕府鎌倉管領へ献上品として紬織りを使用したので結城家の名をとって結城紬と呼称されるようになり世に出たと言われています。
慶長7年、時の代官伊奈備前守が支配する様になってから結城紬振興のため、染色法や織法の研究改善に努力をしたので名声を博し山岳も増加しました。
ついで明治時代には文明開化とともに各地で開催される博覧会等に結城紬は常に会場を飾っていました。結城紬は糸質強靱、染色堅ろう、製法は精緻で雅趣に富み、長い歴史の間にも意匠の改善以外は旧来のままの生活様式が続いている希有な産品でもあります。