産地特徴
六郷は、はんこを彫る製造業、印章ケースを作る工場、卸業、通信販売会社など、はんこに関わる業種が全て集まっているという特徴をもっています。また、連合組合では、水晶、象牙、牛角、黒水牛、ツゲ、ラクトなどに加え、周辺の山で採れる「オノオレカンバ」という木を、連合組合のシンボルとして印材に取り入れました。この木は、堅く、独特な赤みを帯びた風合いや手触り、朱肉ののりの良さを備えています。
産地技法
主要工程は、原材料のツゲ・水牛と水晶とで若干異なりますが、印面の調整、印稿、字割、字入、粗彫、印面調整、字直、仕上げ等多岐にわたっています。また、起底刀、判差刀、丸刀、平刀、さらい刀、小槌、彫刻台、棒台といった昔ながらの道具を使って、それぞれの工程が手作業で行われています。字入や字直し等特に熟練の手作業を経た印章による印影には唯一無二の趣があります。
産地歴史
江戸時代末期の「甲州買物独案内」には、甲府市内に御印版を扱う版木師の存在を示す記載があり、当時から既に職人が存在し、印章の商売を営んでいたことがわかります。 同じ時期の別の文献には、極上草入六角(草等が混入した水晶で印材として珍重された)や水牛の印材の注文記載があり、当時から各種印材による印章が甲府市内で造られていたと判断できます。
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山梨県印章店協同組合